教えて! サタナエル
「ガドの飯はもう二度と食いたくないな」
すべてはこの一言が引き起こした。
愛するガートルードのセリフにざっくり傷ついたガドフリーは、料理の指南をサタナエルに依頼した。
サタナエルの料理上手は評判で、ルシファー曰く「シセアの料理は絶品だぞ。本人も絶品だがな」(この後サタに殴られた
「? いいけど、なに作るの?」
怪訝ながらも了承するサタナエル。ガッツポーズのガド。
かくして、ガドフリーの嫁修行 料理修行が始まったのだった。
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「じゃあ手始めに炒飯でも作ってみてよ」
「えっ……、どうやって作んの?」
「まず卵を溶いてー」
ひょいと手渡された鶏卵を、ガドフリー割る。
ぱきゃ。
大惨事。
「もっと優しく掴むの!」
しかしガドフリー割る。橙色と無色透明の絶望を茫然自失で眺めるガド。サタナエルも、呆れてものも言えない。
その時、心配半分好奇心半分でエフィとリックが調理場を見に来た。
「わーガド兄、料理云々の問題じゃなかったねー」
「うう……」
「本当だよ…。卵もてないってどういうこと?」
「すいません……」
「ガド兄ガド兄、"剣は卵を掴むように握れ"でしょ? じゃあ卵も剣を握る要領で掴めばいいんじゃない?」
再々挑戦。
ガドフリー、ついに卵を保持することに成功。のちの『鶏卵革命』である。
「いや卵を持てただけだから」
涙を流さんばかりに喜ぶガドフリーに対してサタナエルはため息。
「ま、がんばってねっ! サタちゃんよろしくー!」
笑いながら賢妹・エフィがリックを掴んで飛び出していく。正直どうでもいいらしい。
「はいはい、じゃあ次はそれをここに割って溶いて」
「え、割るの?」
「何のために持ったの!」
目尻を吊り上げるサタナエルに怯えながらガドフリーが卵を割ろうとする。割ろうとするが、
「だ、だめだっ、せっかく持てたのに、割るなんてもったいなさ過ぎる!」
「ふざけんな!!」
すぱーん
そんな調子だったが、料理自体が始まってみればガドフリーはむしろ器用なほうと言え、サタナエルの的確な助言を聴きながらじょじょに料理をマスターしていった。
そして一ヵ月後。
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「どーだ! やればできるだろう! 美味しいと思うので食べてくださいお願いします」
セリフの間に態度が反転しつつガドフリーが運んできた料理を、ガートルードがみつめる。危ないものを見るような眼つきで。むしろ危険物そのものを見る目つきで。ニトログリセリンとか。用法用量を守れば医薬品です。じゃなかったら激烈な爆薬。
「大丈夫だよガー姉。……多分」
「多分って何ですかサタナエルさん!」
「まあ嬢が言うなら大丈夫なんだろうが…」
おそるおそるガドフリーお手製の料理を口に運ぶガートルード。
ドキドキしながら見てくるガドフリー にこにこしているサタナエルの視線が急に気になった。なにを怖がってるんだ、情けない。
ガートルードは目を瞑るとガッ、と皿を掴むと一気に喰らい、咀嚼した。
なかば意地のような行動であったが、「……ん?」
「あ……、うまい」
無自覚にこぼれたガーの賞賛にガドフリー喜ぶ。
そして喜びのあまりに「ガートルード! 好きゴブファ!?」ガートルードに抱きつこうとして撃墜さるる。
「ホントーにガー姉とガド兄は仲がいいよね」
サタナエルはそんな二人を眺めながらニコニコと笑っていた。
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「シセア、私にも料理を教えてくれないか。私はシセアを料理したいと思うのだが(もちろん性的な意味で」
すぱーん
Fin.
Cutter/黒瀬さん
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